消費税法違反や粉飾決算
帝国データバンク 2014/06/02
http://www.tdb.co.jp/
株式会社セトウチデリカ
1999年(平成11年)6月に設立された惣菜メーカー。
2007年6月に破産した(有)セトウチフーズの基盤を承継して設立され、積極的な設備投資を実施して商品の生産体制を整え、大手スーパーや量販店への販路を構築していた。
また、冷凍加工食品部門では大手冷食メーカーの外注指定業者となるなど、大手顧客との取引比率を高めて供給量を伸ばし、最盛期の2012年6月期には年売上高約56億円を計上していた。
しかし、一方で納入先の大手量販店では同業者間の価格競争は激しさを増し、当社に対する販売単価の引き下げ要請が根強く、原材料相場の高値で推移するなか、収益性は低位に止まっていた。
また、過年度から売り上げの水増しや在庫調整による粉飾決算が行われ、経営実態は収益力の乏しい事業展開となっていた。
加えて、過年度の設備投資によって多額に膨れた有利子負債が財務面を圧迫し、厳しい資金運営を強いられていた。
そのため、2013年2月にはチルド・冷凍加工食品を製造していた広島工場を閉鎖するなど、リストラによる収益性の改善を進める一方で、各取引行に対して追加融資を求めていた。
しかし、明確な主力行が不在のなか、取引銀行が多行に及んでいたため銀行間の対応の足並みを揃えられず、追加支援を得られなかった。
また、2013年3月には愛媛県中小企業再生支援協議会に経営再建の支援を要請したものの抜本的な再建計画の策定には至らなかった。
さらに、2013年9月には当社および代表者が消費税法違反と地方税法違反の容疑で松山地裁に起訴されるなど社会的信用が大きく失墜していた。
こうしたなか、単独での事業継続は難しいと判断し、1月6日に債務整理を弁護士へ一任して再建に向けた計画策定を進め、今回の民事再生法の適用申請に至った。
負債は、2013年6月期末時点で約42億円だが、変動している可能性がある。
東京商工リサーチ 2014/01/06
平成11年6月に(株)ダイカイフード(TSR企業コード:630097224、大阪市浪速区、金本誠一社長)が買収した(有)セトウチフーズ(TSR企業コード:810081296、今治市、阿部俊範社長、19年8月破産開始決定)のコンビニ・スーパー向け弁当・惣菜販売部門を分離して当社を設立。
15年9月、セトウチフーズの事業全般を継承して弁当・惣菜製造業に転換した。
23年6月、現資本金1億6700万円に増資し、大手流通業者向けの冷凍食品のOEM供給などを手掛け、24年6月期には売上高約56億円を計上した。
しかし、積極的な設備投資に加え、低採算から資金需要が逼迫した状況にあり、25年2月頃には仕入先への支払い延期を要請して動向が注目されていた。
同年12月に当社、藤田社長、金本前社長が松山地方裁判所より消費税法違反罪などで実刑判決が言い渡されたことを受け、現状での事業継続が困難なため弁護士に一任した。
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大手スーパーなどへの販路拡大、設備投資、取引先がかなり偏っていたとみられる。
大手取引先への価格競争で厳しくなっていった。
設備投資をしたのに大手スーパーからの受注が減ったのが原因か?