「ホテル西洋 銀座」経営の(株)エイチ・エス・ジーが特別清算開始決定
東京商工リサーチ 2013/12/4
http://www.tsr-net.co.jp/
東証1部上場の東京テアトル(株)(TSR企業コード:291105106、東京都中央区)の100%連結子会社で、スモールラグジュアリーホテル「ホテル西洋 銀座」(77室)の運営を行ってきた。
同ホテルは平成12年に7月に特別清算したセゾングループの(株)西洋環境開発(TSR企業コード:290758246、豊島区、負債総額5175億円)が過去に経営し、同グループ創業者、故・堤清二氏の肝入りの銀座の高級ホテルとして有名だった。
しかし、セゾングループがバブル期の大規模リゾート開発などの過大投資で行き詰まり、同ホテル経営から西洋環境開発が撤退。
ホテルの土地建物の所有者でもあった東京テアトルに経営権が移り、当社がホテル運営を行っていた。
その後、当社が営業を引き継ぎ、20年3月期には売上高33億6500万円をあげていたが、リーマン・ショック後の21年以降は毎期最終赤字が継続し、25年3月期は売上高25億1900万円にまで低下し、14億9700万円の債務超過に陥っていた。
このため、25年5月31日をもってホテルの営業を終了し、同年10月31日には株主総会の決議により解散していた。
なお、同ホテルが入居する「銀座テアトルビル」も売却予定で、東京テアトルではこの事業終了等に伴う損失は26年3月期の連結業績予想には織り込み済みと公表している。
東京商工リサーチ
wikipedia
セゾングループの西洋環境開発により、銀座中央通り沿いに1987年3月に竣工した複合商業施設・銀座テアトルビル内に開業したシティホテルである。
77という少数の客室数ながら1室の平均面積は60㎡(畳換算で約30畳)を超え、「スモールラグジュアリーホテル」を自称していた。
西洋環境開発の経営危機により2000年3月に不動産が東京テアトルに譲渡され、完全子会社の株式会社エイチ・エス・ジーによる運営となった。
2001年よりローズウッド ホテルズ&リゾーツに加盟していたが、2009年末で脱退。ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールドに加盟していた。
2008年11月21日、「ミシュランガイド東京日本語版2009」の「快適なホテル格付け順」で、「黒い家マーク5つ」を獲得した。
2012年に東京テアトルの財務体質改善のため、銀座テアトルビルを売却することが決定。2013年5月31日をもって「銀座テアトルシネマ」や「ル テアトル銀座 by PARCO」とともに営業を終了し閉館した。
建物についてはコナミの関連会社が取得し、取り壊さずにグループの拠点として活用していく計画である。
なお、エイチ・エス・ジーは2013年10月31日付で解散し、11月20日に特別清算開始決定を受けて事実上倒産した。