人気ラーメン店「むつみ屋」など経営のハートランド、経営破綻
帝国データバンク 2013/11/1
(株)ハートランド(TDB企業コード:201637282、資本金1000万円、神奈川県川崎市宮前区宮崎2-8-12、登記面=東京都渋谷区道玄坂1-16-13、代表佐藤薫氏、従業員34名)は、11月1日に東京地裁へ自己破産を申請した。
申請代理人は清水直弁護士(東京都中央区八重洲2-2-12、電話03-5202-0585)。
当社は、2000年(平成12年)6月に設立されたラーメン店を中心とする飲食店のフランチャイズチェーン(FC)経営業者。代表の佐藤薫(通称・竹麓輔)氏が人気テレビ番組にラーメンの達人として出演したことを機に人気店の仲間入りを果たし、直営、FC合わせて100を超える店舗を展開。カリスマ店主となった佐藤氏は人材活用の面でもマスコミに取り上げられるなど注目されるようになり、FC加盟店の拡張によるロイヤリティ収入の増加によって、ピークとなる2004年12月期の年売上高は約41億3800万円を計上していた。
しかし、流行の移り変わりが激しく同業との競合が厳しいラーメン業界において、次第に来店者数が減少。不採算店の閉鎖を中心とするスクラップ&ビルドを進める一方で、従業員の削減や、本店の移転などリストラを行なったものの、2012年12月期の年売上高は約8億円まで落ち込み、営業損益段階から赤字に転落していた。また、過去に事業の多角化などで膨らんだ多額の銀行借入金の返済負担が重荷となっていたことから、中小企業金融円滑化法に基づくリスケを行っていたが、2012年7月に金融機関による所有不動産への仮差押えのほか、複数の金融機関から訴訟、差押え等の法的措置を講じられる事態となり、資金繰りが急速に悪化。近時も、売り上げ低迷による慢性的な資金不足は解消されず、新たな資金調達先が見つからないなか、支払いが困難になり、今回の措置となった。
なお、会社側は「食材提供に係る今後の取引に関しては(株)YCP Retailingの協力を得て、従来と変わらず(株)サクラ食品工業を通じて提供する予定であり、引き続き新体制のもとで「むつみ屋」のラーメン店運営、フランチャイズ事業を継続させる意向」としている。
負債は債権者約195名に対し、約15億3000万円。
帝国データバンク 2013/11/1記事
沿革(wikipediaより)
創業者の竹麓輔が、大手学習塾管理職で就業中の副業で開業したラーメン屋が繁盛したものの、閉業を余儀なくされる。創業者の知人の援助の元、1996年12月24日に北海道の月形町に『らーめん むつみ屋』をオープンした。開店初日の客は、2名だった。
1997年の道新スポーツでの『あなたが選ぶラーメン大賞』で受賞を果たす。札幌にも出店する。
1998年、川崎市の溝の口に本州最初の店が実現する。
その後、竹麓輔は、むつみ屋創業者として、注目を浴び、2000年2月、テレビ東京系列の『愛の貧乏脱出大作戦』に出演するほどとなる。2000年6月に株式会社ハートランドを設立し、ジンギスカン店の『カルニチン堂』などの飲食店の開業を手がけている[4]。
直営店、FC合わせて100を超えるようになり、売上も2004年12月期には41億円以上に達した。しかし急速な事業拡大により借入金が膨らむ一方で、競争激化により店舗あたりの来店客数が低下、2012年12月期には売上が8億円まで縮小、2013年11月1日に東京地裁に自己破産を申請した。